愛猫の毎日の健康維持に役立つ、体重管理機能を備えたおすすめのスマートトイレとその選び方を紹介します。
猫は体調不良を隠すのが非常に得意な動物であり、飼い主が気づいたときには病気が進行していることも少なくありません。日々のわずかな体重の変化や排泄行動の乱れは、肥満だけでなく腎臓病などのシグナルとなるため、こまめな記録が何よりも大切です。
しかし、暴れる猫を抱っこして人間用の体重計で毎日測るのは、猫にとっても飼い主にとっても大きなストレスになります。そこで、愛猫がトイレに入るだけで自動的に体重や排泄量を計測してくれるヘルスケアトイレの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
体重管理ができる猫用トイレがおすすめな理由
猫の健康管理において、体重は最も重要で客観的な指標の一つです。なぜスマートトイレを導入することが猫のヘルスケアにおいておすすめなのか、具体的な3つの理由を解説します。
日常のわずらわしい体重測定を自動化できる
猫の体重を家で測ろうとすると、じっとしてくれなかったり、抱っこを嫌がったりして苦労する飼い主は多いものです。人間用の体重計で飼い主が猫を抱っこして測り、その後に飼い主の体重を引いて計算するという方法もありますが、これでは正確なグラム単位の変化がわかりにくく、手間もかかります。
体重測定機能つきのトイレを導入すれば、猫が排泄のためにトイレに入るだけで自動的に計測が行われます。測定データはスマートフォンアプリに自動で記録されていくため、飼い主がわざわざメモを取る必要もありません。猫にストレスをかけることなく、毎日同じ条件下で正確な体重を測定し続けられるのが最大のメリットです。
わずかな体重減少や増加にいち早く気づける
猫の体重減少は、重大な慢性疾患の初期症状であることがよくあります。特に4キログラムほどの一般的な猫にとって、わずか200グラムの減少は、人間に換算すると数キログラムの急激な減少に相当します。普段から愛猫を毎日見ている飼い主であっても、見た目や抱き心地だけでこの微細な変化に気づくのは非常に困難です。
スマートトイレは、通常5グラムから10グラム単位の細かい精度で体重を測定します。数週間から数ヶ月単位のなだらかな減少トレンドもアプリのグラフで可視化されるため、獣医師への相談や診察時に具体的なデータとして提示でき、病気の早期発見・早期治療につながりやすくなります。
尿量や排泄回数も同時に記録して尿路結石などの予防に役立つ
多くの体重管理機能つきトイレは、体重だけでなく尿量や尿回数、トイレの滞在時間なども同時に計測します。猫はもともと水分をあまり取らない動物であるため、下部尿路疾患(尿路結石や膀胱炎など)や慢性腎臓病にかかりやすい性質があります。
尿の回数が急に増えた、1回あたりの尿量が極端に減った、あるいは何度もトイレに行くのに排泄できていないといった異常をシステムが検知し、スマートフォンへアラートを送ってくれる機能を持つトイレもあります。体重と排泄状況をセットで管理できることが、猫の寿命を延ばすための強力なサポートとなります。
体重管理ができるおすすめの猫用スマートトイレ
現在、日本の市場で手に入れることができる代表的な猫用体重管理トイレを3つご紹介します。それぞれの特徴を理解し、愛猫とライフスタイルに最も合うものを見つけてください。
キャットログボード

今あるトイレの形や砂の好みを一切変えることなく、体重管理を始められる画期的なボード型のデバイスです。
今使っているお気に入りのトイレの下に置くだけ
多くのスマートトイレは、トイレの容器ごと専用のものに買い換える必要があります。しかし、猫は非常に警戒心が強く、トイレの形状や砂の種類が変わるだけで使わなくなってしまうケースが多々あります。
キャットログボードは、現在自宅で使用している猫用トイレの下に敷く薄い板状の製品です。そのため、猫にストレスを与えることなく自然に体重と排泄の管理をスタートできます。
首輪型デバイスと連動して詳細な行動データも記録可能
同シリーズの首輪型デバイス(キャットログ)を合わせて使用することで、トイレの記録だけでなく、日中の睡眠時間、毛づくろいの頻度、食事や運動の様子などもまとめて一つのアプリで一元管理できます。トイレ単体での測定に留まらず、愛猫の生活すべてをデジタルデータで見守りたい飼い主にとって、非常に利便性の高い選択肢と言えます。
シャープのペットケアモニター
日本の大手家電メーカーであるシャープが開発した、システムトイレ型のスマートヘルスケア機器です。
個体識別バッジで多頭飼いにも対応可能
ペットケアモニターは、猫の首輪に装着する小さな個体識別バッジ(別売)を使用することで、最大3匹までの多頭飼いに対応できます。
それぞれの猫がトイレを使用した際に、どの猫が何時に使用し、体重や尿量がどうだったかを正確に識別して別々に記録してくれます。多頭飼い環境で誰がおしっこをしていないか分からないという問題をきれいに解決します。
シンプルなデザインと使い慣れたシステムトイレの仕様
形状は一般的なシステムトイレと同じなので、これまでにシステムトイレを使ったことがある猫であれば、比較的スムーズに移行できます。
構造もシンプルで分解しやすく、水洗いや猫砂の交換といった日常のお手入れがしやすいことも継続利用する上で大きな強みです。測定されたデータはシャープ独自のクラウドサービスを通じてスマートフォンでいつでも確認できます。
トレッタ
カメラを搭載し、テクノロジーの力で猫の健康を24時間見守る最先端のスマートトイレです。
カメラ付きで愛猫の表情や様子まで記録できる
トレッタの最大の特徴は、トイレの入り口付近に内蔵されたAIカメラです。猫がトイレに入ると自動で動画や写真が撮影されます。単に数値としての体重や尿量を記録するだけでなく、排泄時の表情や姿勢を動画で確認できるため、力んでいる様子がないか、おしっこが痛そうでないかといった視覚的な体調チェックまで行えます。
体重だけでなく尿量や尿回数も高い精度で計測
トレッタは独自のセンサープレートにより、体重、尿量、尿回数、トイレへの入室回数、滞在時間、前回の使用からの経過時間の6つの指標を24時間常に計測します。さらに、AIによる顔認識技術が使われているため、首輪などのデバイスを身につけるのが苦手な猫でも、カメラ画像から猫の個体を自動的に識別してデータを分類してくれます。
体重管理トイレを選ぶ際の重要な比較ポイント
おすすめのトイレの中から実際に愛猫に最適な1台を選ぶために、事前にチェックしておくべき比較ポイントを3つ解説します。
月額のアプリ利用料金が発生するかどうか
スマートトイレの多くは、本体の購入代金とは別に、データを管理・閲覧するためのスマートフォンアプリ利用料(月額サービス料)が継続的に発生します。メーカーによって月額費用は数百円から千数百円程度と幅があります。
月額料金がかかる理由は、クラウド上でのデータ保管やAIによる解析技術、アプリのアップデートなどを維持するためです。本体が安価であっても毎月のランニングコストが高くなる場合があるため、長期的に使用することを前提に、月額料金の有無とその金額をあらかじめ予算に組み込んで比較検討することが大切です。
今あるトイレをそのまま使えるか買い換える必要があるか
猫は排泄場所へのこだわりが非常に強い動物です。ドーム型が良い、砂は鉱物系が良い、適度な広さが欲しいなど、猫ごとに好みのスタイルが確立されています。もし、現在のトイレを気に入っている猫に対して完全に新しい形状のスマートトイレを導入する場合、警戒して使ってくれなくなるリスクがあります。
神経質な猫や、シニア期に入って新しい環境への適応力が落ちている猫の場合は、今使っているトイレをそのまま活用できるボード型の選択が最も安心です。一方で、まだ若く適応力がある猫や、これから新しく猫を迎えるタイミングであれば、カメラ付きや多機能な一体型トイレを最初から導入するメリットが大きくなります。
多頭飼いの場合に猫の個体識別ができるか
多頭飼いをしている家庭では、誰がどのタイミングでトイレに入り、どれだけの排泄をしたかを識別できる機能が不可欠です。識別方法にはいくつか種類があり、猫の首輪につける小さなバッジで認識するタイプ、トイレに搭載されたカメラの映像解析で顔や背中の模様から認識するタイプ、体重の差だけで大まかに推測するタイプなどがあります。
首輪を普段から嫌がらずにつけてくれる猫たちであれば、物理的なバッジ方式が最も確実です。首輪を絶対に嫌がる猫たちであれば、カメラによる画像識別や、体重差による自動判定を行うタイプのトイレを選ぶ必要があります。それぞれの家庭の猫の性格に合わせて最適な識別方法を選びましょう。
体重管理ができるトイレを導入する際の注意点
非常に便利なスマートトイレですが、導入後に後悔しないために飼い主が事前に知っておくべき注意点を解説します。
初期費用だけでなくランニングコストを想定しておく
スマートトイレを運用していくには、本体価格のほかに複数の費用がかかります。先述したアプリの月額利用料に加え、専用の消臭シートや、特定のサイズに適合した猫砂などの消耗品費が必要です。また、Wi-Fiに常に接続しているため、わずかではありますが電気代もかかります。これらのランニングコストを継続して支払い続けられるか、購入前にしっかりとシミュレーションしておきましょう。
Wi-Fiの通信環境が整っているか確認する
スマートトイレは、測定したデータを自宅のWi-Fi経由でクラウドサーバーに送信し、そこからスマートフォンのアプリへと反映させます。そのため、トイレを設置する予定の場所にしっかりとしたWi-Fi電波が届いている必要があります。
特にトイレを洗面所や廊下の隅、クローゼットの中など、Wi-Fiルーターから離れていて遮蔽物の多い場所に置く場合は注意が必要です。電波が弱いと、データの送信が途切れたり、測定エラーが頻発したりすることがあります。購入前に設置予定場所でスマートフォンがWi-Fiに快適に繋がるかテストしておくことをおすすめします。
猫が新しいトイレに慣れてくれるか見守る
高性能なスマートトイレを購入しても、猫がそれをトイレとして認識し、中に入って排泄してくれなければ意味がありません。新しいトイレが届いたからといって、これまで使っていた古いトイレをすぐに処分してしまうのは避けましょう。
最初は古いトイレのすぐ横に新しいトイレを並べて配置し、猫が新しい匂いや形状に慣れるのを待ちます。古いトイレの猫砂を少しだけ新しいトイレに混ぜて、自分の匂いをつけておくことも有効な移行テクニックです。猫が自発的に新しいトイレを使うようになるまで、数週間から1ヶ月程度は焦らずに見守る姿勢が必要です。
猫の体重管理ができるトイレに関するよくある質問
スマートトイレの導入を実際に検討している飼い主から寄せられる、具体的かつリアルな疑問にお答えします。
多頭飼いの場合に体重が似ている猫同士を正しく識別できますか
体重のみで個体を判定する簡易的なスマートトイレの場合、体重差が100グラムから200グラム未満の猫同士だと、同一の猫として誤認識されてしまうケースがあります。しかし、カメラ付きのモデルであれば、AIが顔の特徴や背中の柄、体型などを総合的に分析して識別するため、体重がほぼ同じであっても正しく見分けられます。また、個体識別用の首輪バッジを使用するタイプであれば、電波で物理的に識別するため、体重が全く同じ猫であっても確実に判別することが可能です。
スマートトイレがWi-Fiに繋がらない時は体重測定できませんか
自宅のインターネット回線が一時的に切れたり、Wi-Fiルーターに不具合が発生したりした場合でも、多くのスマートトイレは本体内部のメモリーに測定データを一時的に保存できるよう設計されています。通信が復旧したタイミングで、溜まっていたデータが一括してサーバーへ送信され、アプリに反映されます。ただし、内蔵メモリーの容量には限りがあるため、何日もオフライン状態が続くと古いデータから消去されてしまうことがあります。接続が切れた場合は、できるだけ早く通信環境を復旧させてください。
新しいトイレを怖がって使ってくれない場合の対策はありますか
猫が新しいトイレを怖がる原因の多くは、機械特有の匂いや、聞き慣れない電子音、あるいは乗った時のわずかなグラつきです。対策として、まずは電源をオフにした状態でリビングなどの落ち着ける場所に置き、ただの箱として慣れさせましょう。中にお気に入りのおやつを入れて入る練習をするのも効果的です。また、多くのスマートトイレは測定時にセンサーが作動してかすかな動作音が鳴ることがあるため、猫が完全に新しい形に慣れるまでは、電源を入れずにただのトイレとして使わせ、慣れた段階で電源をONにすると失敗が少なくなります。

